大動脈弁狭窄症(AS)患者の麻酔管理

◎大動脈弁狭窄症(AS)患者の麻酔管理

特に心筋虚血に注意

十分な輸液負荷に鎮痛を加え、頻脈を避ける

徐脈でも心拍出量を維持できないため、アトロピンを使用する

 

麻酔による急激な血管拡張による静脈還流量の低下のため、左室への血液充満が阻害される。もともとのASによりStroke volumeが一気に下がり、血圧が一気に低下する。ASではいったん低血圧となると、肥大した心筋を養うだけの冠血流が得られず、さらに血圧が低下・致死的な不整脈がおこるという悪循環が形成される。

 

麻酔の際には

①緩徐な麻酔導入

 急激な血管拡張による心腔内のボリュームの低下を予防

②麻酔薬に対するカウンタートラクション

 ボリューム負荷+ノルアドレナリン0.05γ

③循環動態の評価

 拡張期血圧の低下、CI低下

④心拍出量を上げる

 DOB1-3γで開始