乳房パジェット病 vs パジェトイド癌

◎乳房Paget病 vs Pagetoid癌

◯乳房パジェット病(mammary Paget's disease)
乳頭部を中心に、湿疹に類似した紅斑やびらんを形成
中高年女性に発生
乳管の開口部に発生した乳管上皮由来の表皮内癌、基本的には乳癌
乳癌の1〜4%
そう痒がなくステロイド外用に反応しない点で湿疹と鑑別する
治療は乳癌に準ずる

◯乳房Paget病 vs Pagetoid癌
乳頭皮膚に所見を認める臨床的なPaget病のうち
乳腺内の癌巣が非浸潤か微小浸潤のものが真のPaget病であり
乳腺内の浸潤癌が経乳管的に乳頭表皮に進展したものPagetoid癌と呼ぶ

Paget病の発症は他の組織型に比べやや高齢者に多く、
乳腺内癌巣が非浸潤ないしは微小浸潤に限られ、リンパ節転移はみられず予後が良好
一方、Pagetoid癌はリンパ節転移が多く予後は不良

診断には
マンモグラフィ、超音波検査、MRI
が有用

治療は
乳癌に準じて行われる
センチネルリンパ節生検を行うことが望ましいとされている