肺炎治療についての話

肺炎と診断したら、
市中肺炎 CAP: community-acquired pneumonia
院内肺炎 HAP: hospital-associated pneumonia
医療・介護関連肺炎 NHCAP: nursing and healthcare-associated pneumonia
を区別する

 

市中肺炎
→細菌性か非定型か
細菌性 肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラキセラ
非定型 マイコプラズマ、レジオネラ、クラミドフィラ

 

喀痰G染、血液培養を提出

肺炎球菌ワクチンの接種歴の有無
→ワクチンでも尿中抗原陽性になる

市中肺炎の入院適応は敗血症とA=DROP
敗血症 qSOFA
A-DROP 3点以上で入院

 

市中肺炎のエンピリック療法
・細菌性肺炎
経口(外来治療)
SBT/ABPC1回250mg1日3回
※もともとニューキノロンは肺炎球菌に効かない
→効くようにしたのがレスピラニューキノロン=レボフロキサシン(経口)1回500mg1日1回
肺炎球菌肺炎の第一選択にはならないが、一日一回経口でいいのでラク
=簡便だが、結核のpartial treatmentとなりうるため、安易なニューキノロン系の使用はダメ!

静注
セフトリアキソン(CTRX)
1000mg1日1回で良い=簡便=病棟がラク
1日3回よりも患者の血管の負担が減る

起因菌がわからない
→TAZ/PIPC
カルバペネム(MEPN等)は安易に使わない

 

非定型肺炎
経口
アジスロマイシン
レボフロキサシン
静注
ミノサイクリン
アジスロマイシン

 

院内肺炎、医療介護関連肺炎では患者背景を十分考慮
・敗血症の有無
・重症度の判断(I-ROAD)
・耐性菌リスクの判断
をして、適切な抗菌薬を選択

※I-ROAD
I immunodeficiency:悪性腫瘍または免疫不全疾患
R SpO2>90%を保つために、FiO2>35%を要する
O 意識レベルの低下
A 男性70歳以上 女性75歳以上
D 乏尿または脱水

よくならない肺炎では感染症以外に注意
抗菌薬の治療判定は三日後に行う
評価は体温、咳嗽、喀痰量の3項目