CD感染症、偽膜性腸炎

いつ疑うか:

院内下痢症(入院後72時間以上経過してから新たに出現した下痢)の大半は、薬剤や経管栄養などの非感染性の原因によるものが多いが、20~30%がCDI。

キノロン、クリンダマイシン、広域ペニシリン、広域セファロスポリンなどが関連する。

高齢者、長期入院、消化管手術、PPI、抗がん剤、炎症性腸疾患などもリスクファクター。

症状:

下痢、腹痛、発熱、白血球増加など

検査:

CDトキシン検査;特異度が高い

GDH(グルタミン酸脱水素酵素)検査;感度が高い

(−)、(−)→CDIは否定的

(+)、(+)→CDIと診断

(+)、(−)→C.difficileはいるが、CDトキシンが検出されていない

→CDトキシン非産生株の可能性と、CDトキシン産生株だがCDトキシン検査の感度が低いために偽陰性になっている可能性がある。

→C.difficile培養を追加し、培養されたコロニーでCDトキシン検査を行う

治療:

①不要な抗菌薬の中止

②MNZ内服 1回500mg 1日3回10日間

③重例でもMNZ内服で軽快することが多いが、抗菌薬開始5日以上経過しても症状改善が乏しい場合は、VCM内服に変更する

VCM内服 1回500mg1日4回10日間

治療効果判定:

CDトキシン検査は行わない(陰性化しないことが多く、効果判定に有用ではない)

症状の改善で判定